初代 橋田与三郎 網手 赤絵細書 明治九谷 能見九谷

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斎田伊三郎道開の門弟、初代橋田与三郎の網手赤絵金彩鉢を出品致します。 網手は九谷焼の典型的な意匠であり、始祖の斎田道開も網手の名品を幾つか残しています。しかし、道開自身もそしてその流れを汲む門弟達の作品に於いても、網の中央部つまり結び目をきっちりと描き切った作品はありません。殆どの網手は結び目部分に円形の模様や魚図を描いて、結び目は描いていません。 また、網手を乱れなく描く為には、器表面が平坦である方が容易ですが、本作の表面には微妙な凹凸がついています。均一な網手を描く為には更なる名人技が要求されます。 能見九谷佐野村の陶画業は、天保6年(1835)、斎田伊三郎(道開)に始まりました。伊三郎は明治元年(1868)には亡くなりましたが、伊三郎の開業が早かっただけに伊三郎に育成された陶画工の多くが独立して陶画業を開業しました。 初代 橋田与三郎は、嘉永4年(1851)の生まれ。伊三郎の門に入り、8年間修業して、赤絵細書を習得しました。亀田山月らと協力して「佐野画工15日会」を毎月催し、みずから初代会長となり、徒弟の頃から絵付を始めることを奨励し、試験制度を作るなど後進の育成に当たりました。 納富介次郎や荒木探令を講師に招き、陶画図案や顔料使用法の研究などを行いました。 門弟には三輪鶴松、北村与三松、古西幸雄、西野仁太郎らがいます。大正15年(1926)に亡くなり、初代の画風は門弟の二代 橋田与三郎に受け継がれました。 さて、本作の寸法は、直径18cm、高さが11cmです。 ワレ、カケ、ヒビなどの瑕疵は一切なく、ほぼ未使用と言って良い保存状態の良さです。月並みな言い方ですが、美術館に展示してもおかしくないレベルの作品です。

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